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ひさしぶりにいちのすけさんの落語見ちゃった
寄席って場面で行けるからいいよね、中席夜の部主任か〜新宿近いな〜いくか〜みたいな、

思いつきで行って、あの素晴らしい芸を堪能できる、ってやば!すぎ!
夜割で1500円なのもうれしい

いちのすけさんのらくごは全然違う。みんなとぜんぜんちがう。ことばが彼のものでしかない、彼が演じてるその役自身の言葉。古典の台本の気配はどこにもなくて、談志的な江戸の風もなくて、かといって現代でもなくて、
いちのすけさんにしかつくれない時空がある。

そこで、とてもユニークかつスムーズな言語とテンポで話が展開していく。ありえない、魔法だよね。たぶん、あかね噺でおおげさに描かれているファンタジーより、ファンタジーだよ。

つまらない古典は、台本を感じさせるような落語で、言葉が文字のように伝わってくる。新作は、新作で、話が始まった瞬間に新作だ!って構えてしまうところがあるし、ただ現代を描いて、うまい洒落が言えればいいって話でもない。
(こいはちさんの新作は例外的にうますぎるけど)

いちのすけさんは、古典なのに、江戸でも明治でも令和でもない世界線で、江戸でも明治でも令和でもない言語で、江戸でも明治でも令和でもないけど、憎めない愛おしい人間たちを登場させて、その一瞬でしか味わえない空気と物語の波を操っている。 

なんかもうやばいよね、談志が、とか、志ん朝が、とか、文楽が、とか、圓生が、とか
そういう伝統や、だれかが築いたもの 全部すっ飛ばしてやばい、比べる間もなくやばい。やばいんだから、面白いんだからそれでいいじゃんって感じ、



いつも、いちのすけさんの落語見た後、こうやって文字にしようとがんばるんだけど、全然うまく行ってないでおわる。
何を感じたか、残さなきゃっておもっちゃうわけ。再現できないからさ、

落語見たことなくて見たい人は、いちのすけさんから見てほしいよ!





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