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東京ヴァナキュラー経由で表徴の帝国を読んでいる。2冊ともえぐいおもしろさ。えぐすぎる。海外から見る東京・日本とかいう視点以前にもうなんというか、天才。ふたりとも。
ロランバルトの文は、鷲田さんのファッション批評を読んでるくらい平易で、関心さえあれば、もうそうめんくらいしゅるしゅる入ってくる。そんでおもろい、funnyのおもしろさ。だれかのあたりまえを、あたりまえじゃないひとが、細かく観察して、細かく文にしていく。そしてあたりまえになっちゃってるひとに提示してあっと言わせる。哲学、人類学、記号学、アート、なんなのかよくわかんないけど、すべての根源となる営為のような気もする。まだ50ページしか読んでないけど、前半は超絶技巧の日本食エッセイ。爆笑日本食エッセイでした。表紙の仏像の写真取り替えたいくらい。騙される、これ、詐欺っすよ。タイトル「表徴の帝国」で、トップ画、和尚像の写真て、重々しすぎる。「ここが変だよ、日本人」くらいのノリなんだよな、絶対そんな下品なのダメだけど

あと、もう一個最高ポイントは、図表がBGMみたいに入ってること。いや、図表DJだな。一流の図表DJがガンガンに回しちゃってる。
まず、全ての図表が本文の内容とは関係がなくて、図表に言及されることは一切ないのだが、ないのにもかかわらず、確実に効いてくる一枚がそこらじゅうに入っている。一般的な本って、文字列のみで、どこまで相手の想像力や思考力を広げられるか、みたいなところがあると思うけど、これは一種の革命のようだよ。ほんとに。邪魔しない、ただ、想像力や思考力の補助となる的確な一枚を差し込む。文章中の具体例として示される一般的な図表は、想像力を増幅させるというよりは、補完させるというか、こういうやつかなっていうのを断言してしまうようなものだと思うんですよ。でも、ロランバルトは違くて、文章と相互作用してえぐい力を紙に引き寄せちゃってる。編集とも言えるよな、これやってること。超超おすすめですー 評論ではなく、哲学だし、文学だしとても詩的です、


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